降圧剤の服用で冠状動脈硬化症の治療はできるか

降圧剤を処方する医師現在日本で使用されている降圧剤には、カルシウム拮抗剤、アンジオテンシン受容体拮抗薬、アンジオテンシン変換酵素阻害薬、β受容体遮断薬、利尿薬など様々な種類の薬があります。高血圧症において、降圧剤による血圧管理は生命予後に大きな影響を与え、放置していると、脳梗塞、脳出血などの脳血管疾患、狭心症、心筋梗塞などの虚血性心疾患、腎不全、心不全などの臓器不全につながります。これらに大きく関わっているのが動脈硬化です。動脈に大きな血圧が継続的にかかってしまうと、その圧力で血管が傷つき、また柔軟性が失われて硬くなっていってしまいます。狭心症、心筋梗塞といった虚血性心疾患では、動脈硬化の一種である冠状動脈硬化症が深く関与しています。冠状動脈硬化症が起こると、その硬くなった血管部分にコレステロールが付着しやすくなり、血管を狭窄し、虚血性心疾患となります。
それでは降圧剤によって冠状動脈硬化症が治療できるのかというと、改善していくことはなかなか難しいです。ただこの進行を抑えることは可能です。ただ降圧剤の選択には気を付けなければなりません。例えば、β受容体遮断薬の場合、心臓の収縮力を軽減することで血圧を下げるのですが、もし非選択的β受容体遮断薬でβ2受容体にも作用してしまう場合、血管を収縮してしまう効果があるため、冠状動脈硬化症で虚血性心疾患を併発している場合には逆効果となります。虚血性心疾患を伴う降圧治療にはカルシウム拮抗薬が最も適しています。カルシウム拮抗薬は血管拡張作用があるために、心臓の冠状動脈も拡張し虚血性心疾患の発作を抑える治療効果もあります。特にジルチアゼムなどのベンゾチアゼピン系のものは心臓の血管に対する作用が強いため、この治療に適しています。